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原題:Bride of Re-Animator
96分

 ハーバート・ウェストとダンは戦地に赴き、治療をしつつ相変わらず実験を続けていた。そろそろ自分達の命も危ないというタイミングで帰国すると、彼らはまた同じようにいつもの場所でいつもの実験を再開する。今までは死体を蘇生するというテーマで活動していたウェストだが、死体を組み合わせて蘇生するというとんでもない実験まで行うようになり……。

 展開は前回同様で実験の成功と判断の過ちによる失敗を繰り返すもの。新鮮味は一切無いものの、彼らのおかしな行動はコミカルで笑える。基本的にはどの登場人物も目的を見失っているようで、どうしてそこでその行動を取ってしまうのかと思ってしまう。それにウエストはもう少し自分の性格を理解すべきだ。指の固まりにせよ詰めが甘い。

 序盤はおどろおどろしい気もするが終盤に向かうとコメディ色が強くなり、Happy Tree Friendsのような不条理でグロいギャグを見ている気分になる。実験がうまくいくのかどうかという観点では見ることができず、実験の失敗がどう繋がるのかという展開を期待してしまうのである。つい彼ばかり注目してしまうが、ダンもダンだ。

 前作のラストが出来心なのは分かる。今回も愛故の暴走だとは思う。しかし余りにも意思が弱い。全くストッパーになれていない。コミュニケーション能力に欠けるウェストの代わりに存在するだけの立場になっている。なんと地味なキャラクターだろうか。ERのジョン・カーターみたいな外見と性格だが、彼には根っこがない。薄っぺらいのだ。

 本作はサービスカットも控えめで、個人的には前作よりスプラッター要素が抑えられていたように感じた(配信でカットされているのかもしれないが)。デッドプール2同様に売りが弱くなっている印象を受けたのだ。ところがそんな内容でも2003年には続編が公開されている。今度こそはと期待して観てみたいが、現時点では配信タイトルに存在しない。いつか観る機会があれば気楽な気持ちで観てみたいものだ。#死霊のしたたりシリーズ

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原題:Re-Animator
85分

 ハーバート・ウェストは非常に優秀な科学者である。どこでどうやってそんな知識や技術を身に付けたのかは不明だが、彼は死者を蘇生させる血清を作り上げてしまったのだ。もちろん彼を信じるのは難しく、ダンも信じてはいなかった。しかし実際に死体を蘇らせてしまう姿を見てしまい、ダンも興味を抱いてしまう。猫だけで済めばまだ良かったのだが、幸か不幸か彼らの身近にはいくつもの死体があり、実験には最適な環境が揃っていた。

 死んだ生物をもう一度生き返らせる。そんなファンタジーを題材にした本作はB級でありコメディでもある。けれどもジェフリー・コムズ演じるハーバート・ウェストには狂気と普通ではない雰囲気が出ており、馬鹿馬鹿しさと共に妙なリアリティが生まれている。きっと現実でマッドドクターのニュースが出る度に、私は彼の顔を思い浮かべてしまうのだろう。真面目そうでまともじゃないオーラを纏う不気味な笑顔を……。

 B級スプラッターとしては文句の付けようがない映画で、割と可愛い女優の裸体が出てくる辺りもそれらしい。しかしウェストは色々と勿体ない男だ。実験第一で物事が見えなくなるのは仕方ないが、彼にはイフを考える力が欠けていた。頭なら頭だけ、体なら体だけと実験対象は分けておくべきで、それぞれと真正面から向き合うべきだ。好奇心に負けて死体から目を背けてしまったばかりに苦労してしまった。

 本作はクトゥルフ神話で知られるラヴクラフトのホラー小説が題材となっているが、そちらには目を通していない。元々彼はどこか抜けている人物なのか、それとも映画の展開を考えるにあたって隙を作ってしまったのか。そこだけでも知りたいのだが、そのためだけに中途半端な巻からラヴクラフト全集を買うのも微妙だ。果たして彼は希代の天才か、または奇跡を起こした馬鹿か。しばらく悩みは尽きそうにない。#[死霊のしたたりシリーズ]

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 洋画中心。最低でも週に一本はレビューするつもりで定期更新。※現在は創作や仕事に集中するため、ほぼ停止中。

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