No.170

原題:Spy
120分

 どこか抜けているが一流のスパイであるファイン。彼をオフィスからサポートするのがスーザンの仕事だった。幾つかの不満も抱えたまま仕事をそれなりにこなしていた彼女だったが、ある日ファインが射殺されてしまう。彼女は内勤という立場でありながらも自ら志願して現場へと出向き、ファインを射殺したレイナへと接近する……。

 スパイではない人物がスパイとして活躍するコメディといえば、小説家がスパイになってしまう『なりすましアサシン 』を思い出す。しかし実はこちらの方が公開は古い。それにあちらはコメディを重視しているが、こちらは意外にもスパイ映画としても練り込まれている。それにスーザンは仮にもスパイ。体型で誤解されがちだが身体能力も高く、ただ現場に出ていないだけの一流スパイとも言えるだろう。

 登場人物の大半がコメディのノリで、真面目な人物は敵の組織やモブくらいなものだが、残念なことにシリアスな振る舞いを見せる人物は死にやすい。彼らは本作においてはハードル走のハードルでしかないのだ。立ち塞がって邪魔をするが、あっさりと跳び越えられる。ハードルに引っかかってもすぐに立ち上がり、次へと進む。敵は観客を楽しませる要素の一つに過ぎず、スリルなんてものとは無縁である。

 本作を本格的なスパイ映画として紹介するわけにはいかないが、面白いスパイ映画としてなら紹介してもいいだろう。主役ではないがジュード・ロウとジェイソン・ステイサムは頼れるスパイの姿を見せてくれる。スーザンを演じるメリッサ・マッカーシーだってそうだ。その見た目からは想像できない動きで敵を倒してみせる。娯楽としてスパイ映画を探している人がいれば、是非こちらの映画をオススメしたい。

740文字 編集

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 洋画中心。最低でも週に一本はレビューするつもりで定期更新。※現在は創作や仕事に集中するため、ほぼ停止中。

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