No.211

原題:Ocean's Thirteen
122分

 彼らはそれぞれの生活を送っていたのだが、彼らにとって大切なある人物が騙されてしまう。そのせいでその人物は立場を失い、心身も害してしまった。ホテル王のバンクへの報復を誓い、再びオーシャンズが集結する。確固たる地位を確立したバンクを失墜させてついでに巨額な報酬もゲットすべく、オーシャンズは大掛かりな準備を開始するのであった。

 初代は私怨が大きな目的で、続編はゆすられて仕方なく。そして本作では仲間のためにオーシャンズが活躍する。内容としては初代に近く、一つの大きな計画が描かれる。やはりちまちまとした犯罪よりはこちらの方が見応えもあり、盛り上がる。集大成といった作りで良かったものの、これで終わりかと思うと寂しくもあった。

 オーシャンズらしさは十分あり、登場人物の細かい繋がりなんかに興味がなければ11から13を観れば良い気もする。しかしこの二つを観てから12を観るのもそれはそれで微妙なので、多少合わなくとも順番に観ていった方がいいだろう。物足りないだけで全く面白くないわけではなく、それなりに楽しめるのは間違いないのだから。

 ただ本作は様々な人物が出てきた割に前作のキャストが欠けており、あの人たちはどうなったの? 今は何をしてるの? と思いもする。その辺りは打ち切り漫画のようでどうにかして欲しかった。けれども彼らは有名人なわけで、ちょい役で出して高額なギャラを持って行かれるのも困る。それではその人たちの方がオーシャンズ以上の泥棒になってしまうのだ。

 色々とやらかしながらもうまくいくというストーリーはもはや王道を通り越してテンプレではあるが、キャラクターが立っていたり成長が見られたりと様々な目線から楽しめる。といっても初代の焼き増しという印象は拭い去れず、名作にまではなりきれない。だがもしシリーズではなく一本の映画であれば、その時は名作と呼ばれていたのかもしれない。#オーシャンズシリーズ

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