No.218

109分
 デヴィッドは麻薬の売人として生計を立てていたのだが、うっかり余計なことに首を突っ込んでしまい、麻薬も金も奪われてしまう。下っ端でしかないデヴィッドは責任を問われることとなり、ボスであるブラッドから、「少量の麻薬を運び出せ」と命令される。成功率を少しでも上げるべく、デヴィッドは家族連れを装っての密輸を計画するのだが……。

 他人が集まって家族のふりをする作品は珍しくもなく真新しさもない。薬物に偽装家族。そしてコメディ。それだけではそこまで魅力的ではない。それでも観ようと思ったのは、エマ・ロバーツが気になったからにすぎない。彼女のセクシーなシーンは殆ど無かった(その代わりにジェニファー・アニストンのセクシーなシーンはそれなりにあった)が、キュートな姿は楽しめた。

 肝心の内容はといえばベタベタなコメディで、下ネタは控えめ。局部が映ったりポルノシーンがあったりはするものの、コメディを見慣れている方からすれば許容範囲だろう。いや、むしろ物足りなさを覚えるかもしれない。一部シーンを除けば日本のアットホームな家族が視聴することも可能だ。ただキスシーンは少しセンシティブか。下品な作品に慣れて感覚が狂っていないか不安になる。

 コメディといえど映画なわけで、麻薬をうまく運べるのかというストーリーが主軸として存在する。そこに偽装家族が家族らしくなっていく過程も含まれるのだが、それもまたベタにしっかりと描かれているのは好印象。感動して涙する人はそうそう居ないだろうが、終わった後の心地よさはなかなかのもの。なんとなく入った定食屋が美味しかったくらいの嬉しさはある。

 ただこの映画で一番良かったのはどこかと聞かれたら、それは本編ではなくメイキングにある。映画が終わってからのメイキングはコメディの醍醐味という感覚もあるが、大抵は本編に絡んだネタばかり。本作は最後の最後に本編とキャスト絡みのネタを仕込んであり、そのシーンを撮りたいがためにこの映画を作ったんじゃないかとさえ思ってしまった。

 コメディを探していて、海外ドラマや洋画といったものをよく観る人にはぜひ観て欲しい。

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 洋画中心。最低でも週に一本はレビューするつもりで定期更新。※現在は創作や仕事に集中するため、ほぼ停止中。

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