No.158

原題:Deadpool 2
120分

 最愛の恋人と再会したウェイドは幸せな毎日を送っていた。しかし恋人のヴァネッサが殺されてしまい、自暴自棄になってしまう。しかし超人になってしまったせいで自殺を図るも死にきれず、コロッサスからはしつこく勧誘を受ける。X-MENに見習いとして参加した最初の任務ではミュータント孤児のラッセルと出会う。ラッセルのためにデッドプールとして好き勝手な振る舞いをしてしまうのだが……。

 幸せを掴んだかと思いきや不幸な世界へと転がり落ちてしまったデッドプールはどこか覇気が無く、前作と比べたら勢いがなかった。その代わりに運の良さと意外にも高い身体能力が目立つドミノが活躍していたように思う。前作の暴走ぶりが10だとすれば、本作はせいぜい6といったところだろう。終盤では暴走ぶりも見られるものの、そこまでの控えめな面が長く印象に強い。物足りないというやつだ。

 アクションはあって随所の演出もそれらしい。本人が言っていたようにファミリー向けの映画といったらいいのか、せっかく良い豆を使って苦く香り高い珈琲を淹れた後で安いミルクをどばどばと投入したようなものになっていた。それはそれで美味しいのかもしれないが、珈琲とカフェオレは別物の飲み物だ。きっとこのデッドプールを求めている者も居るのだろう。だがイレギュラーな存在を求めていた私は落胆した。

 ここまで文句ばかり並べ立ててしまったが、本作も個人的には好んでいる。アクションが見たい。スプラッターも見たい。ついでにジョークや下ネタもあれば娯楽としては良い。そんな私の欲求を詰め込んであった。ところが残念なことにその引き出しは鍵が掛かっていた。いや、奥で何かが突っかかっていただけという可能性も考えられる。とにかく良い題材は眠っていたが、引き出しきれずに仕舞われてしまった。惜しい作品である。#マーベルシリーズ #デッドプールシリーズ

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