No.188

原題:Babysitting
85分

 待ちに待った誕生日。パーティーを目前に控えたその日、フランクは社長から声を掛けられる。さて何かと思えば息子の子守を頼みたいと言う。パーティー当日に子供の面倒なんて……とフランクは断ろうとするが、ある約束と引き換えに子守を引き受けるのだった。しかし息子のレミは今時といえば今時な子供で、割と面倒な性格をしていた。更にただでさえ子守で苦労しているフランクの元にパーティーを強行しようとする友人らが迫り……。

 なんらかのトラブルが起こって、それが何だったのかを振り返る。『ハングオーバー!シリーズ 』を思い出す構成ではあるが、あそこまでぶっ飛んではいない。謎解きのようなものもなく、最後まで観てみれば全く違う映画だと分かる。シティーハンター経由でフィリップ・ラショーに興味を持って見たわけだが、妙なタイトルで敬遠せずに観て良かった。人を選ぶシーンは多いものの、エロにしたってエロすぎない。表現の仕方がマイルドなのである。

 登場人物の癖も控えめで、観ていて疲れる人や現実離れしすぎて興醒めしてしまうような人も居ない。もしかしたらこんなこともありえるかもしれない……? と思える範囲で馬鹿をやっているような映画(とはいっても日本人の持つ海外のイメージだけども)で、笑いを取りつつも家族の絆や愛というものを描いてくれるのは凄い。監督は2人居るとは言え、これが監督デビュー作だというのだから恐れ入る。尊敬どころか嫉妬すら覚えるほどだ。

 フランクも途中でやらかしてはいる。しかし元凶は悪乗りが過ぎた友人たちである。なんとかしようともがきつつも意中の人と愛を育みたいフランク。父にもっと構ってもらいたいレミ。物語の鍵となる人物の根がまともで色んな意味で良い性格をしているおかげで、多少妙なことになろうともどこか清々しく、視聴後の爽快感や充実感にも繋がっている。割とおばかでちょっと感動な本作は、ちょうど今のような蒸し暑い時期に観て欲しい。#[ヒャッハー!シリーズ ]

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