No.206

原題:Survival of the Dead
90分

 『ダイアリー・オブ・ザ・デッド 』の続編らしいということでついでに視聴。続編といっても一部シーンで関わった人たちがその後どう行動したかといった内容で、別に本作から見始めても問題はない。続編というよりもサイドストーリーと言った方がいい気もするが、どんな流れで何が起きたのかという展開を知っておく意味では前作を観ておいた方がいいだろう。

 ロメロのゾンビ作品は三部作にしても続きだなんだとまとめていいのか悩んでしまうもので、本来であれば『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 』から全てのゾンビ作品をシリーズとしてまとめた方がいいのだろう。しかしゾンビの発生した時期を考えると一緒くたにするのも何だか違うなと思ってしまうのだ。だから本作に関してもシリーズとしてはくくらない予定である。

 序盤がある程度お決まりなせいか、のっけからあらすじでもなんでもない文章を書き連ねてしまった。今度はモキュメンタリーではないが、ちょっとした人間同士の対立から始まる。島に住まう者と島を追い出される者の描写から強盗と化した元州兵たち。彼らはどうやってこの世界で生き抜くのか……という映画だと思ったら実はそうでもなかった。

 島を追い出されたパトリックと強盗団のブルーベイカーが主役で、その日を生き抜くという意味ではサバイバルもしているのだが、そこまで苦労している描写もないせいで武器を振り回して自由に生きているように見える。トントン拍子でストーリーも進むため、手軽で画一的なインスタントラーメンのような映画になっていた。

 ラーメンを食べたいという欲求は満たせる。作るのだって簡単で苦労しない。ただお湯を注ぐだけのカップ麺よりは鍋で作るラーメン、もっといえば専門店でじっくり作り込まれたラーメンを食べたい……と考えるのが腹を空かせた客というものではなかろうか。果たしてこの映画はそこまでの味があったのか。まあ微妙なラインだろう。

 終盤のサプライズにしたって、ロメロのファンであれば「まるであのシーンじゃないか!」と思うかもしれない。だがそうでなければそこまでの驚きもないだろう。それどころか「焼き直しじゃねえか!」とネタの使い回しを批難する可能性だってある。確かにゾンビ映画ではあるが、どうせ観るなら『死霊のえじき 』でも観た方がいいかもしれない。

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 洋画中心。最低でも週に一本はレビューするつもりで定期更新。※現在は創作や仕事に集中するため、ほぼ停止中。

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